2022年春(公社)日本介護福祉士会
国際介護人材支援チーム 発行
(R3 厚生労働省
介護の日本語学習支援等事業)
- ・1996年設立
- ・大阪府、和歌山県で高齢者介護施設を展開
- ・理念は「人にやさしく、全ての関わる人の質の向上を目指す。」
- ・積極的に外国人介護人材の雇用・育成に取り組む
介護老人保健施設さくらがわ
- ・2011年開設
- ・大阪市浪速区の介護老人保健施設
- ・定員:入所利用:100名(全室個室ユニット)、
通所利用:30名/日
介護技術の先進国として、世界でも知られている日本。しかし、介護人材の不足という大きな問題も抱えている。今、日本では、多くの外国人の皆さんが、日本語と日本の介護を学び、介護の現場で働いている。
取材班は、日本の介護を学び、現場で働く外国人、そして日本の介護を伝える人のためのWebサイト「にほんごをまなぼう」のGood
Case/活用事例を求めて、大阪へ向かった。大阪の中心地・なんばにも程近い、浪速区桜川。
ここには、外国人介護人材と介護を担う医療法人との理想的な関係があった。
日本の介護を学ぶため、2016年にベトナム・ハノイから、日本にやって来た3人。在留資格「介護」(介護福祉士)で、介護老人保健施設さくらがわにて、介護業務を担っている。
そんな、外国人介護人材の皆さんに、お話を伺った。
[ハウ] 着物、桜、紅葉・・・日本の文化と自然は、ほとんど、全部、好きですね。
[アイン]
私は桜が好きです。桜にはいろいろな色があります。
白、ピンク、濃いピンクとか。日本ではじめて桜を見たときは嬉しかったです。
[フォン]
ベトナムに「さくらまつり」という名前のイベントがあって、
そこで、よさこいが披露されているのを見ました。
みんな、笑顔で踊っていて、カッコイイなぁ~と思いました。
見ている人もみんな、笑顔でした。もっと、よさこいを勉強したいです。
よさこいのグループを見つけて、参加してみたいと思っています。
日本でよさこいに参加できたら、嬉しいです。
[ハウ] ベトナムの短期大学の学生だった頃に、日本で働いていた経験のある先生から、日本の介護の仕事、日本の生活など、いろいろ聴かせてもらいました。それから、日本の国を好きになって、日本に来ました。
[アイン] 漢字が難しいです。読み方も多いですし、書き方もなかなか、覚えにくいです。敬語を使うのも、難しいかなと。まだまだ、勉強中です。
[ハウ]
イラストもありますし、多言語に対応しているので、ベトナム語にも対応しているのが嬉しいです。辞書で調べてもわからなかった専門用語を勉強できます。
使い始めてすぐに、とても勉強になると感じました。覚えやすくて良いと思います。
[アイン] 勉強しやすいと思います。文法、読解、聴解、介護福祉士の国家試験の一問一答、など、全部入っているところが良いと思います。勉強しやすいですね。
[フォン] テキストには、いろいろなイラストがあり、ベトナム語がしっかり載っているので、とっても勉強しやすかったです。
[ハウ][アイン][フォン] スマートフォンで勉強しています。
[ハウ] 私の将来の夢は「デイサービスを開きたい」です。
[アイン]私の将来の夢は「介護の先生になりたい」です。
[フォン]私の将来の夢は「介護通訳と医療通訳になりたい」です。
日本人の介護人材不足という背景があり、最初にEPAから受け入れをスタートしました。
2009年にフィリピンから2名、2014年にベトナムから4名を受け入れました。
利用者様への接し方、日本語能力、仕事に取り組む姿勢が優れていたため、
継続して受け入れることとなりました。
現在では、法人全体で、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ネパール、ロシアの5カ国、
今後は、バングラデシュ、スリランカ等を加え7~8カ国から受け入れる予定です。
敬英会グループとして、外国人介護人材のサポートをするNPO法人、
人材育成を担う株式会社も運営しています。
本当に真面目、勤勉ですね。
昔の日本人のイメージが合うかもしれません。
お年寄り、高齢者を大切にして、
思いやりを持って接する姿が印象的ですね。
日本人と違うところは、権利主張をするべき時には、
しっかりするところですね。
そこはハッキリしていて、かえって、
付き合いやすいと思います。
検索機能や学習管理ができるところが良いと思いますが、
特に有難かったのは、新たに受け入れた外国介護人材の
日本語の読み書きレベルを容易に確認できることです。
会話をすれば、日本語の会話力レベルはわかるのですが、
読み書きとなると、来日当初は学校が中心となるので、
正職員と違い、介護記録の記載などの機会もあまりないので、
読み書きレベルを確認することが難しいのです。
それが、「にほんごをまなぼう」を導入して、容易にレベル確認が
できるようになりました。正直、もっと早く使いたかった
というのが、本音です。
一番、大切にしているのは、「対話」です。
押し付けないこと、例えば、
日本の文化で当たり前のことだから、やりなさい、とは言いません。
そして、少し時間をかけて、お互いに理解する時間を取るようにしています。
2022年4月から日本の介護を学ぶ専門学校に入学する
外国人介護人材の皆さんに、介護福祉士の国家試験対策を
はじめる半年後くらいから、積極的に使っていきたいと考えております。
最近、増えていることは、当法人で働いている外国人介護人材の皆さんが、
ご自身の家族や友達を紹介してくれて、新たな採用に繋がっています。
それは、当法人に対して、外国人介護人材が不満を持っているのではないということなので、
法人として自信が持てます。当法人では外国人介護人材として、
活躍している先輩が既に多くいるので、サポート体制も整っていると思います。
外国人介護人材としては、法人に対して不満なく、安心して、日本で働き、生活する基盤を持てること。
そして当法人としては、介護人材が不足する中、安定した人材の確保ができる。
そんなWin-Winの関係が築けています。
今後もそんなWin-Winの関係がずっと、続いてくれれば良いと考えています。
外国人介護人材としては、法人に対して不満
なく、安心して、日本で働き、生活する基盤を
持てること。そして当法人としては、介護人材が
不足する中、安定した人材の確保ができる。
そんなWin-Winの関係が築けています。
今後もそんなWin-Winの関係がずっと、
続いてくれれば良いと考えています。