令和6年1月22日。及川会長が第239回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました。
今回の給付費分科会では、令和6年度介護報酬改定に向けて(介護報酬改定案について)、審議報告のとりまとめに向けた意見交換(2回目)がおこなわれました。
及川会長は、全体的に各サービスの基本報酬が引き上げられる中、訪問介護系の基本報酬のみが下がることについて極めて遺憾である旨。発言しました。
資料では、処遇改善で手厚くしていると表現されているが、訪問介護サービスの職員構成が介護福祉士をはじめ介護職員のみであることを踏まえると、処遇改善で高い割合なのは当然であり、割合が大きいとしても、そもそも単価も低く規模が小さい訪問介護において、数字としては大きなものではない。
他方で、基本報酬が2%以上下がると、結果として収入がマイナスとなる事業所もあるのではないかと考えている。
今後、地域の中で要介護者の中重度化が想定されることを踏まえれば、在宅ケアを充実させる必要があるが、訪問介護サービスはその中核となる、極めて重要なサービスのはずである。
なぜ今回の基本報酬の見直しで訪問介護を引き下げるのか、また今でさえ人材不足の深刻度が極めて高い訪問介護サービスの持続可能性について、また、今後の在宅ケアをどのように担保していこうと考えておられるのか、具体的な説明を伺いたい旨。厚生労働省側に質問をしました。
厚生労働省からは、
- 訪問介護サービスは、人件費の割合が高く、人手不足が課題であると認識しており、だからこそ、処遇改善を最優先した仕組みで整理した
- 補助金を先行させたうえで、6月から処遇改善の新たな仕組みを導入するとともに、各種加算の取得促進なども図っていく心づもり
- 訪問介護サービスにおける全体の改定の意味が伝わるように努力していきたい
という趣旨の説明がありました。
この説明を踏まえ、訪問介護サービスの実態調査については、毎年、丁寧に続けていただきたい旨。要請しました。
本件については、ほかにも複数の意見が出されたものの、内容が覆えることなく、令和6年1月22日付で社会保障審議会に諮問のあった各種費用の額の算定に関する基準の一部改正について、本分科会として、諮問のとおり改正することを了承するとの結論に至りましたので報告します。