令和5年11月6日。及川会長が第230回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました。
今回の給付費分科会では、令和6年度介護報酬改定に向け、「訪問介護・訪問入浴介護」「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」「居宅介護支援」の各サービスについて、横断的事項については、「介護人材の処遇改善等」「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)」について意見交換が行われました。
及川会長は、訪問介護サービス・訪問入浴サービスの看取り期における対応の評価については、考え方に異論はないが、「前月15日までに申請・翌月から適用」とする現行の手続ルールでは対応できないとの声も届いており、この点への対応についての整理はお願いしたい旨。在宅サービスにおける看取り期の対応のニーズは高まっていくことは想定されており、訪問介護以外の居宅介護支援等の在宅サービスについても強化すべき旨。発言しました。
また、「同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬」については、まず、これまでに求めていた同一建物等居住者の訪問介護実態調査等資料の用意があったことに対してお礼を申し上げたうえで、段階的な適正化を図る見直しについて異論はない旨。発言しました。
さらに、これまで求めてきたサービス提供責任者の資格要件を介護福祉士資格一本に限定する件が論点とされなかったことについて、以下の旨を踏まえ、改めての検討をお願いしました。
・人材不足は極めて大きな課題であるが、ただ漠然と介護人材を集める方策を採るのではなく、質の担保されたサービスを保証しつつ、介護職に訴求力を持たせる必要があり、そのためには、介護職としてのキャリア形成の道筋を明確にする必要があること
・他方で、職能団体としては、利用者優先の倫理を有する専門職能である介護福祉士の国家資格をもっと活用すべきだと考えていること
・資格を持つことの意味合いとあわせ、資格があるからこそ任せられる役割を明確にすることで、介護職全体を上に引き上げる道筋となり、介護職に訴求力を持たせることに繋がると考えること
・これまでしてきた訪問介護のサービス提供責任者要件の一本化の提案は、そのひとつであり、この件については、先般のヒアリングでも、全ヘルも日ヘルも、賛成いただいていること
・令和3年度の介護サービス施設・事業所調査の結果では、サービス提供責任者の内訳は、介護福祉士が約87%、実務者研修修了者が約7.5%となっており、即時に要件を一本化することは現実的とはいいづらいが、それであれば、当面はサービス提供責任者研修を必須としつつ、他方では、経過措置をもって、例えば、3年後に完全施行として介護福祉士一本化とする道筋をつける等の対応が考えられること
・介護福祉士という国家資格を創設した意味合いや、国家資格であることの意味合いを改めてご確認いただきたいこと
次に、処遇改善に係る加算の算定要件の職場環境等要件の見直しについて、介護人材の不足への対応として、介護現場には、多種多様な介護人材が入ってきているが、介護職チームのリーダーには、その多様な介護人材を束ね、質の高い介護サービスを提供する役割が求められている。だからこそ、介護職チームのリーダーには、チームマネジメント等の学びが必要であり、今回、マネジメント系の研修であるFS研修が処遇改善の職場環境等要件のひとつとして明記されたことは評価したい旨。是非とも、全国的に、このようなマネジメント系の研修受講が広まることを期待しているし、政府には、このような役割を担える人材の育成・配置の推進をお願いしたい旨。発言しました。
また、生産性向上の項目を拡充する件については、介護職チーム内で、業務改善を進める役割を担う中核人材の重要性から、まずは、当該人材育成を推進する取組については盛り込むべきと考える旨。等について発言しました。