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今般の介護職の所得向上に関する新総理の発言に対する声明

令和3年10月8日、岸田文雄新内閣総理大臣が就任後初の所信表明演説を行い、分配戦略のひとつとして介護職の所得向上が示されました。国民が安心できる社会生活の保障に寄与するため、介護福祉士の資質及び社会的地位の向上に資することを目的とする職能団体として、介護職の価値をご評価いただき、また所得の向上に言及いただいたことに心より感謝申し上げます。

今後、公的価格評価委員会等により検討が進められると認識しておりますが、その際は、高齢化が進展する我が国において不可欠な存在である介護・福祉従事者の十分な確保と、介護福祉サービスの質の向上を実現するために、他産業や他職種との格差にご配慮いただくとともに、国家資格である介護福祉士資格の有無や、職責やキャリアなどに着目した段階的評価となりますことを期待いたします。そのためには、是非とも検討の段階で、我々職能団体をはじめ現場で奮闘している仲間たちの意見をしっかりと汲み取っていただければ幸甚です。

なお、新総理会見やそれを報じるメディア等において、「介護士」の表現が用いられたことについて意見を申し上げます。介護従事者は、国家資格を有する「介護福祉士」と、それ以外の介護従事者が混在しておりますので、それらを総称する表現としては「介護職」を用いることが適切と考えております。介護士という資格は存在しておりませんし、仮に介護福祉士を略して用いられたとするならば、我々のアイデンティティとも言える「福祉(幸福の追求)」を端折る表現であり、資格制度発足から30年余りが経過したにも関わらず、介護福祉専門職への理解が十分得られていないことに大変残念な思いです。介護を必要とする国民の幸福を追求する専門職として、誇りを胸に日夜励んでいる多くの仲間のためにも、適切な表現を用いていただくことを切にお願い申し上げます。

  令和3年10月15日

公益社団法人日本介護福祉士会
 会長 及 川 ゆりこ

声明(PDF版)